昆布は採取時期によって呼ばれ方が変わることをご存知でしょうか。
今回は、そんな時期ごとに違う昆布の呼び名に関してご紹介いたします。
昆布は通常7月中旬くらいから9月中旬くらいまでを解禁日としているのですが、それより前の5月1日から6月末までの間に採る昆布もあります。
それを棹前昆布といい、主に釧路・根室地区で採取されます。 普通の昆布よりも早く煮える柔らかい昆布ということで、地域によっては「野菜昆布」や「早煮昆布」と言われております。 そのため煮物などの食べる昆布として使われることが多く、こちらの昆布を重宝している地域もあるそうです。
夏採(なつどれ)、走採(はしりどれ)と読みます。
どちらも解禁日の間に採った昆布を意味し、魚で言えば旬の時期に採取した昆布ということになります。
秋採(あきどれ)、后採(ごどれ)と読みます。
どちらも解禁日以降(9月末以降)から終漁期までに採取された昆布となり、価格は夏採よりは下がってしまいます。
時化などによって、浜辺に漂着した昆布のことを言います。
水洗いをして付着物を落とした上で乾燥させることで、製品として出荷することが可能となります。
昆布は通常は2年生のものを採取しているため、1年生のものを水昆布と表現することが多いです。
ただ1年で採取する昆布もあるので、2年生の昆布に関してのみこのような表現になります。
最新年度よりも前に採取された昆布のことです。 昆布は乾燥物のため長期保管ができる上に品質が落ちることはあまりないので、ストックとして倉庫に古いものを保管していることが多いです。
「ひね」と言う人もいれば、「かこい」と言う人もいます。
日本最大の昆布産地が北海道であることをご存知の方は多いと思います。 その北海道のなかで、地区によって様々な昆布があることはご存知でしょうか。
今回は、主なところに関してご紹介いたします。
真昆布とよく言われていますが、どの地域で採れるものかご存知でしょうか。 真昆布という昆布は北海道の函館地区、東北地方の岩手県や青森県で採れる昆布のことを指しており、業界では「函館昆布」や「青森昆布」、「岩手昆布」とは言わず、「真昆布」と言うことが主流となっています。
真昆布は幅もあり肉厚なので、出し昆布としては勿論、佃煮や塩昆布、とろろ昆布などの加工用としても使われております。
函館地区を中心に採れる昆布です。 昆布の表面が凹凸状になっており、竹で編んだ籠の目のような見た目から名付けられたという説があります。
非常に粘りの強い昆布のため、とろろ昆布やおぼろ昆布、塩昆布などの加工用昆布として使用されています。
また最近ではフコイダンを多く含んでいることから、昨今の健康ブームのなかで人気が出ている昆布です。
利尻島・礼文島と稚内から留萌までの日本海側、宗谷岬などの稚内地区、網走までのオホーツク海側で採れる昆布です。 幅は真昆布と比べると狭く、見た目が黒褐色であることが特徴です。
天然昆布と養殖昆布があります。
出汁はとても澄んだ味になるため、京都の高級料亭など、余計な味をつけずに素材そのものの味を楽しんでもらいたい和食料理(豆腐や千枚漬け、汁物など)を作る方々に好まれております。
また味があるのでとろろ昆布や佃煮として使用するところもあり、用途としては様々なものがあります。
知床半島にある羅臼地区で採れる昆布です。 天然昆布と養殖昆布があります。
昆布を採ってから製品として出荷するまで24もの工程を経る昆布もあり、それによって濃い出汁が出るようになります。 その味の濃さと香りの良さから非常に評判が良く、高級進物用や出し昆布として広く親しまれております。
釧路地区、根室地区を中心に5月~6月に採れる長昆布です。 根室地区は貝殻島周辺で採れるため、「貝殻棹前昆布」と呼ばれています。
なお養殖はありません。
比較的早い時期に採取をするため葉が柔らかく、煮物として利用されることが多いです。
釧路地区、根室地区を中心に採れる昆布です。
なお養殖はありません。 この昆布は長いもので15メートルほどになるものもあり、採取する際には「棹」という長い棒を使うこともあります。
使用用途としては、加工用として佃煮、昆布巻、結び昆布にすることが多くなっております。
釧路地区、根室地区で採れる昆布です。 葉幅が広く、非常に肉厚なことからこの名前が付けられたと言われております。 釧路地区では特厚と呼ばれております。
使用用途としては、加工用として佃煮、塩昆布、昆布巻、とろろ昆布などに使われております。
釧路地区、根室地区で採れる昆布です。 昆布の根の部分の形が猫の足のような形をしていることから、このような名で呼ばれるようになったという説があります。
非常に粘りがありますが味にクセがあり、出し昆布というよりは加工用として使われることの多い昆布です。
北海道の太平洋に面する部分、十勝から白糠までの間で採れる昆布です。日高地区で主に採れます。 日高地区では養殖をしておりませんが、一部函館地区に流れ着いた種子を利用して函館地区で養殖しているところがあります。
昆布の表皮が濃い緑色に黒みを帯びているのが特徴で、幅はあまり広くありません。
出し昆布として高級なものだという位置付けである真昆布、羅臼昆布、利尻昆布と比べると出汁の味は劣りますが、出し昆布として広く親しまれている昆布となります。
また佃煮や昆布巻などの加工用として使うところも多く、需要としては大きなものがあります。
函館の松前地区から日本海側(北海道の地図でいうところの左側)で採れる昆布です。 こちらの昆布は1年目の終わり頃に枯れるため、他の昆布と違って、1年目の夏の時点で採取をします。
色は黒いですが切り口は白く、幅が狭いのが特徴です。
粘りがあるため加工用としてとろろ昆布で使われることが多く、それ以外に佃煮、きざみ昆布、納豆昆布などにも使われます。
真昆布最大の産地となる函館地区では、昆布の育て方や採る時期などによって言い方が異なっているので、ここでご紹介したいと思います。
その名の通り、海にそのまま生えている昆布を採取したものになります。 2年生となります。
かつてはかなりの量が採れていましたが、現在はほとんど採れない貴重な昆布となってしまいました。
養殖して採取したもののうち、2年生のものとなります。
昆布の養殖というものは、施設で育てた種子を糸に擦り付けた後に、その糸をいかだから吊るす形で海に出して成長を促す方法であり、成長するまでは昆布そのものの力に頼っています。 養殖用の生け簀に入っている魚のような、栄養の補給まで人の手を使うということはありません。
勿論成長の悪いものは間引いたり、太陽の光の出方によって糸の位置を変えたりすることで成長しやすい環境を整えていますが、最終的には昆布そのものの生命力が鍵となります。
養殖昆布ではありますが、1年生のうちに採取をしてしまうものになります。
2年生の養殖昆布と比べて質は劣りますが、2年待たずに収穫できる点から、最近では促成昆布の比率が多くなってきております。
「昆布業界用語辞典」はカテゴリーごとに3つに区分をしております。 それぞれに関してご紹介いたします。
こちらでは、昆布の製造方法に関する業界用語に関してご紹介いたします。
昆布を採取してから出荷するまでの流れはどのようなものかご存知でしょうか? また、昆布製品の仕立て方によっても用語が変わって来たりしますが、皆様ご存知でしょうか?
それらに関して、こちらではご紹介いたします。 製造方法に関する業界用語
こちらでは、昆布業界ならではの取引用語などをご紹介いたします。
例えば、昆布の取引価格の決め方はご存知でしょうか? 魚みたいにセリなのかな?それとも違うのかな?
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