昆布業界ならではの取引用語をご紹介いたします。
昆布の結束単位の総称で、基本的には1駄が20kgとなっております。 人によっては「1駄」のことを「1本」と言う人もいます。
駄と言われる由来としては、昔昆布を荷馬輸送していたことから呼ばれているという説があります。
生産者が自ら生産した品を販売する目的で決定する価格(値段)のことです。
昆布取引に関しては業者の代表と生産者の代表が地区ごとで協議をして値段を決める「値決め方式」が採られています。 なおコロナウイルスの影響で、2020年度に関してはその話し合いがZoomと電話で行われたそうです。
昆布の産地と業者との間の取引は、各等級込みで売買されることが多いです。 例えば、1等~4等まで一気に購入をするということです。
そのため、普通1等の価格を決め、2等以下はあらかじめ決められた等級掛率指数(掛目)によって値段が決まり、取引されることとなります。
昆布の産地売買で、取引対象とされる生産品の各等級割合のこと。
1等、2等の割合が多いと値ガサが張り、3等や4等の割合が多いと値ガサが安くなりやすいので、取引額を決める大切な要素の1つとなります。
値決めされた昆布を、等級比率の構成に応じた一定割合で分荷する方法のことを縦割と言います。 1等から下の等級まで縦に見て割っていくというところから、縦割という言葉になったという説があります。
例えば1等がその地区の昆布全体の20%、2等が10%、3等が40%、4等が30%あるとなれば、その割合に応じて、業者に割り振られた全体量から、1等を20%分の本数、2等を10%分の本数といった具合に割り振ることとなります。 なおその業者への全体割当量に関しては、荷割を基に決めていきます。
荷割に関しては、後ほど説明いたします。
値決めで協議された昆布を対象商社(共販参加)の実績(率)によって割当分荷することを荷割と言います。 つまり、業者の実績によって、その業者へ割り当てる昆布の全体量が決まることとなります。 そこから、1等は何本、2等は何本という形で縦割が決まっていきます。
この方式は戦後から長く続く方式となっており、現在でも一般的な方法として行われております。
同系列の昆布取引の地区格付基準のことを浜格差と言います。 同じ産地の昆布でも、採れる浜によってランクの違いを出しているところがあり、言い方としては上浜、中浜、並浜というランク付けをしているところが多いです。
ランクの決め方としては、採れる昆布そのものの品質の他に、品質改良、需要採算などの要因が勘案されます。 また流通動向の他、産地事情などによって変動することがあります。
業界の人のなかでは、「〇〇昆布の上浜が欲しい」という指名を受けたりするので、その際には上浜に位置付けられている浜で採れた昆布を売買することとなります。
食品メーカーや問屋がある程度の生産や販売活動続けるために必要な在庫のことをランニング・ストックと言います。 和訳すると「運転在庫」という意味になります。
当面の製造または販売に必要な分だけを少しずつ手当買いすることを当用買いと言います。 人によっては当座買い、入用買い、鍋掛け買いと言われます。
先行きの相場の値下がりが心配されるときなどに行われることが多いです。
またその反対用語として、「思惑買い」や「見込み買い」という言葉もあります。 当面必要ない分まで積極的に手当てして、在庫として保有することを言います。
昆布は天産物なので翌年確実にある保証はありません。 また乾燥物なので、保管状況が良ければ何年置いておいても腐ることはほぼないので、多めに買っておく業者さんは結構いたりするそうです。
「昆布業界用語辞典」はカテゴリーごとに3つに区分をしております。 それぞれに関してご紹介いたします。
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