ヒロコンの匠に聞く「ジャイアントケルプって食べられるの?」
ジャイアントケルプとは
そもそもジャイアントケルプって何ぞやという方に説明をいたしますと・・・
ジャイアントケルプは、アメリカ・カリフォルニア州中部からメキシコ北部の太平洋岸に生息する褐藻類の海藻で、世界一長くなる海藻として有名です。全長は約50mにもなり、通常は水深25m以浅から生えていますが、稀に水深40m以深で見つかることもあります。 引用元:Toshimi Sakurai OFFICIAL WEB SITE
ということで、日本ではなくアメリカ西海岸を中心に繁茂している海藻になります。
上記にも記載があるように全長が50mともの凄く長くなるわけですが、そんなに長いと、根っこが海底から抜けて波に流されちゃうんじゃないかと心配になりますよね?でも安心してください。
ジャイアントケルプには「ホールドフェスト」という根っこに似たものがあり、それが海底の岩にしっかり巻き付けることができます。いわば船のいかりのような役割を持っているので、全長が50mになっても、流されることなく海面に向かって葉を伸ばすことができるわけです。
ちなみに日本の水族館ではあまり生体展示がされておらず、某ネズミランドの横にある葛西臨海水族園で展示されているのを私は見たことがあります。おそらく日本ではあそこだけだと思いますが、違ったら教えてください。
更に余談ですが、葛西臨海水族園はマグロとカツオも生体展示していますし(マグロが残り1匹になった時も見に行きました)、海鳥も生体展示している日本ではなかなか珍しい水族館です。
コロナウイルスが落ち着いた後に東京に行かれることがあったら、ネズミランドよりもこちらをオススメします(怒られるぞ)。葛西臨海水族園はギリギリ東京都ですが、ネズミランドは頭に「東京」が付いているけど住所は千葉県ですからね(だから怒られるって)。
ジャイアントケルプといえば・・・
そんなジャイアントケルプですが、その名を聞いて、「あれがよく絡んでるやつじゃない?」と想像するかと思います。
何だか「〇〇がよく絡んでる」と書くと怪しい雰囲気満載になりましたが、そういうことではありません(当たり前だろ)。
そうです!ラッコです!!
ラッコといえば海に浮かんで生活しているわけですが、彼らも寝ている時は勝手に流されると困るわけで。
「トンネルを抜けると、そこは雪国だった」みたいに、「目が覚めると、そこは見知らぬ土地だった」だと困るわけで。
それを防ぐために、ラッコはジャイアントケルプに巻き付いて流れるのを防いでいるわけです。
ジャイアントケルプはしっかりと根が張っている上に全長50mにもなるため、先っぽの葉の部分は海面に到達すると横に広がっていきます。25mプールにある各レーンの間のロープをイメージすると分かりやすいかもしれません。
あれなら、ラッコも安心して眠れますよね。
なので、彼らにとってジャイアントケルプは命綱みたいなものなのです。
更に全長50mにもなる海藻ですから、海面下は森のような繁茂具合になるそうです。
そのため、魚の赤ちゃんなどの隠れ家として生命の維持に役立っているそうです。
広島でいうとアマモみたいな存在なんですね。
子持昆布の昆布はジャイアントケルプだと聞いたことがありますが、違うのでしょうか?
>ささき様
コメントありがとうございます。
確かに、北米産の子持昆布の場合はジャイアントケルプを使用している場合もあるそうです。
ニシンはぶつかった物に卵を産み付ける習性があるようで、産卵期のニシンを追い込んで昆布をぶつけ、そこに卵を産ませることで子持昆布を製造していることもあるようです。
そうなると、天然の子持昆布、要はニシンが自然界で産卵したものを採取していることもあると思いますが、人工的に製造している可能性が高いのかなと感じます。
ジャイアントケルプそのものを食べることはオススメできませんが、卵の食感があったり、味付けをしている子持昆布であればそれを誤魔化せるのではと感じます。